明日は明日の風が吹く

修理依頼品のコンタフレックスS、10日の記事でお伝えしたとおり、露出計は動くようになったものの、動きがなんか不安定です。
これでは安心して使うことはできませんね。
ではメーターを開けて、ちょっと様子を見てみましょう。

これは一旦メーターユニットを締結しているマイナスネジを外して、メーターユニットの蓋を外し、
もう一度メーターユニットを締結した状態です。
蓋を開けたメーターユニットを良く見てみますと、

[1回]

どうやら黄矢印のスプリングが怪しい。
症状としては、メーターの針が不安定にゆらゆら不規則に揺れます。
これは振動によるものでもなく、見た感じ、接触不良で、つながったり繋がらなかったりを繰り返しているように見えます。
と言う事はどこかで接触不良が起きていると予想できるのですが、こんな単純な回路で接触不良なんて普通起きませんからね。
と、考えると、こういったスプリングでつながったようなところが一番怪しいわけです。

試しにピンセットでスプリングをつついてみますと、
やっぱりか。
安定して動くようになりました。
ハンダ付けを見ても切れそうになっているわけでもなく、おそらく経年による何かの接触不良または短絡が起こったのでしょう。

これで露出計も動くようになったようです。
ですがなにぶん古い回路ですのでいつまた不具合が起こるかわかりません。
そこは不安なところですが、永く使えるといいなと思います。

ではせっかく蓋も開けましたので、メーターの調整もしてみましょう。
まずは指針の調整です。
赤矢印の針が例えば、「5.6」を指した状態の時、

ファインダーに見える表示も「5.6」になるようにします。
これは、先ほどの赤矢印の指針の先端を曲げて調整します。

そしてもうひとつ、
青矢印の針ですが、これは絞り制御用の針です。
一般的には指針用と、絞り制御用はわざわざ分けずに1本ですが、
このメーターでは2本になっています。
ですので、この2本の間の位置関係を合わせていかなければいけません。

で、制御用の針の所に、マーキングがしてありますね。

これを使って合わせましょう。
制御用の針がこの位置の時の絞りの大きさを目指で確認すると、

この大きさ。
マニュアルにしてこの大きさと同じになる時のF値を確認してみますと、
F11で同じ大きさになりますね。

ですので、制御用の針がマーキング位置にある時は、
表示用の針もF11を指していればいいわけです。

それがひとつ前の写真。
位置はちゃんと合っていますね。

ではこれで調整は終了。
組み直して動作を確認してみましょう。


うん。
いいみたいですよ。

これでやっと修理も完了ですね。