明日は明日の風が吹く

20年ほど前に一世を風靡したレンズつきフィルムですが、今は殆ど使う人もいなくなりましたね。
そのレンズ付きフィルムにもいろんな種類がありました。
望遠や防水は皆さんも見たことがあると思いますが、その他にも、マクロ撮影可能なものや、日付を写込めるもの、中には3D写真が撮れるものもありました。
そして私が好きなのがこちら、

実はこれ、超広角レンズ搭載のレンズ付きフィルムなんです。

[8回]

なんでそんなものを今回出してきたかといいますと、これ、うちの長期在庫で、フィルムの期限が切れていたものを仕舞ったまま忘れていたものなんです。
ではパッケージを見てみましょう。
うちで販売していた値段は1030円。
消費税3%時代のものか？
パッケージを見る限りでは、風景撮影を楽しむ目的でなく、どうやら自分撮りを主な目的にしているようですね。


パッケージの裏を見てみますと、レンズの焦点距離は17mm。
これはかなりの広角です。
しかし、内蔵フラッシュは17ミリの画角を本当にカバーしているのか？
そうならすごいね。
ちなみに、フィルムの有効期限は、2004年に切れていますね。

では中身を取り出してみましょう。

これが本体。
なんだか普通のモノよりかなりデカイですね。
これはたぶん、超広角のレンズに指が写らないための対策でしょうね。

でね、これをどうするかということなんですが、
今さらこれを普通に使っても面白くないし、でもでも、搭載されているレンズは面白そうですよね。
だからレンズを取り出して、なんか面白く使えないだろうかというのが今回の話。
つまりは何とかして他のカメラで使えるように改造してみようかというわけです。

では早速バラしてみましょう。

まずは表面のシールを剥がして、外せそうなところを外します。


デカかった図体は、やはり専用のグリップが余分についていたためでした。


ではフィルムを取り出して、


続いて背面カバーを外します。


前面カバーも外せば、後は骨格だけ。
フラッシュもすぐに取れます。


すると、ファインダーもユニットごと、ポロッと外れてきました。
レンズの並びが維持された状態で外れますので、これは17mmのファインダーとして転用も簡単にできそうですね。
これは期待していなかった副産物です。


では次に、レンズユニットと、シャッター羽根を外しましょう。
レンズもユニットで状態をキープしていますが、これだけでは少し前玉にガタがあるようです。
前面カバーで押さえられることで固定される構造のようですね。
これはちょっと一手間食いそうです。

ではシャッタが外れた状態で、もう一度レンズユニットを取り付けて、レンズユニット最後端からフィルム面までの距離を測っておきましょう。

なかなか正確には測りにくいですが、18.61mmから18.64mmの間でしょう。
これを目安にして、最終的には現物合わせでピント調整するしかないでしょうね。


先にも書きましたが、前面のカバーも有った方がよさそうですので、カッター切り出しておきます。


レンズユニットにあてがうとこんな感じ。

さて、これをどう仕上げましょうか。