明日は明日の風が吹く

1円ジャンクのオリンパス・ペンEES-2が復活できるのか、ここ数日の記事でお伝えしておりますが、昨日の記事では、シャッター、絞り、露出計などが復活できた内容を書きました。
汚かったダイヤル類も、ベンジンで洗うと綺麗になりました。
これはいい兆しが見えてきたと思って気を良くしていたのですが、
しかし、どうもこの先に暗雲が立ち込めているようなのです。

まず一つがこれ。

[5回]

これは何かと言いますと、ファインダーの接眼レンズです。
ファインダーをクリーニングしてもいまいちクリアにならないので、なんでかなぁと思ってよく見てみますと、接眼レンズが曇っていました。
それなら入念にクリーニングすればいいかと思ったのですが、
しかし、実はこの接眼レンズ、2枚のレンズを貼り合わせてあって、その貼り合わせの部分が曇っているんですよ。
つまりバルサム切れです。

さて、これは困りました。
レンズの接着剤であるバルサムを貼り直す？
でもその材料のバルサムがありませんし、古いバルサムをちゃんとキレイにはがせるんでしょうか。

まぁ、最悪ファインダーですから、少々汚れていても写りには関係ないですからね。
でも何か悪あがきできないでしょうか。

そう言えば、バルサムというのは加熱して貼るという話を聞いたことがあります。
だから熱がよく加わる環境でカメラを使っていると、バルサム切れが起こりやすいのだとか。
だとすれば、逆に加熱によって、もしかしてバルサム切れが直せるのかも。


と言うことで、ドライヤーで炙ってみましょう。

すると、
なんか、だんだん透明度が増してきた気がしますよ。
おお、いけるかも。

そしてある程度炙ってみたものがこちら。

結構綺麗になりましたね。
でも少し白けてる感じですので、もうちょっと炙ってみようと思ってやってみたら、
実は白けているのは小さな気泡で、炙ることで膨張して気泡が目立つようになってしまいました。

炙るのは、バルサム切れが消えた瞬間でやめた方が良さそうですね。

まぁ、とりあえずは前よりは良くなりました。

ファンダーをのぞくと透明度は増していますので、これで良しとしましょう。

ところがです。
これが大きな問題。
汚れていた前玉をクリーニングして、キレイになったかなと思って光にかざしてみると、

やられた。
表面が侵されていますよ。
ここまで来ると綺麗に写ることはありませんね。

ソフトフォーカスのつもりでこのまま使うか、それとも、レストアは諦めて部品取りに格下げするか。
でもまぁ、1円ですので悪あがきしてみましょうか。

その悪あがきというのは、

はい、禁じ手の、酸化セリウムで磨くというやつです。
以前、コンテッサマットで使ったことがあるんですが、レンズの侵食が深かったためか、結局キレイにすることができませんでした。

今回もうまくいく保証はありませんが、どうせダメなレンズなら、やってみる価値はあるでしょう。

と言うことで、磨いてみました。
するとですね、
意外にも曇りはすぐに取れてきました。
これならいけるかも。


磨いた結果がこちら。
おお、透明になっているじゃないですか。
うまくいったかも知れませんね。

と思ってよく見てみると、
？
あれ、
やっぱりこれもか？

どうやらやっぱりレンズの侵食は結構深かったようです。
今回もレンズの表面がブツブツになっています。
うーん、これでは多分、キレイな写真は撮れないでしょうね。

まぁ、仕方がない。
とりあえずはこの状態で組んでみて、ダメ元で試写してみましょうか。


ぱっと見は綺麗に見えるでしょう？


軍艦部カバーも汚れを落として綺麗になりましたし。

貼り革とメッキの間の塗装部分も、

ちょっと色は違うけど、プラモデル用の塗料で塗り直しましたし、


アサヒペンのクラフトシートで、
貼り革も換えて、



見た感じは綺麗になりました。

が、果たしてちゃんと写るのか？