明日は明日の風が吹く

10日の続きです。
シャッターのスローが効かない以外は、シャッター周りは大丈夫と思っていたコンテッサマットですが、どうやらそれだけじゃないみたいです。
まずスローを効かせるためにガバナーを洗って組んだら、とりあえず効くようになったのはいいのですが、1秒が1秒以上掛かるんです。
しかも動きがなめらかじゃない。

と言うことで、ここら辺かなと思って診てみました。

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シャッターセットが行われると、緑矢印の部品が反時計回りにまわって止まります。
で、シャッターを切ると、この部品が右回りに戻ります。
この時、緑矢印の部分が、隣の部品の赤矢印の部分を押します。この赤矢印の部品が押し返されることに抵抗することによってシャッターの開く時間を制御します。

だからこの二つの部品があたる部分が滑らかじゃないのかなと思ったわけです。


で、外して見てみると、矢印の部分にどうやらちょっとガタが有るようにも感じます。
なのでこの面を滑らかにするために削って磨きました。

すると動きがなめらかじゃないのはかなり直りましたが、まだ1秒が1秒より長く開きます。
まぁそこまで突き詰めなくてもいいかとも思ったのですが、せっかくなので合わせたいところです。
じゃぁと言うことで、ガバナーの軸受け部にごくわずかに油をさしました。
そしたらもうほんの少し1秒に近くなりました。
と言うことでとりあえずこれはここまで。

一応これでいいかと思ってレンズを組んでボディーに取り付けて、空シャッターを切っていますと、なんか、時々シャッターが開きませんね。
何ででしょうか。
シャッターチャージが不十分なんでしょうか。
とりあえずもう一回バラしましょう。

レンズを外してシャッターをチャージしていると、やっぱり時々開かない。
で、よく見てみると、シャッターを開閉させるレバーが、本来の動きと違う動きになっているようですね。


まずこちらをご覧ください。
既にガバナーは外してあります。
上の写真の赤矢印のレバーの動きがおかしいようです。
この状態からシャッターがセットされると、このレバーは一旦左に伸びた後、またこれに近い位置に戻ってきます。

その状態がこちら。
緑矢印の部品が反時計回りに回っているのが分かりますでしょうか。
この時赤矢印のレバーはこの位置に来ます。
そしてシャッターが切られると、緑矢印の部品が時計回りに勢い良く回り、それに伴って赤矢印のレバーが左に押され、それに伴ってそこに引っ掛かっているレバーを押し、シャッターが開きます。

しかし、

こんな風になることがあります。
赤矢印のレバーは下に下がってしまって、引っ掛かるはずのレバーから離れています。
※この写真では状態を再現するために緑矢印のスプリングは外してありますが、本来は赤矢印のレバーに掛かっています。

何でそういうことが起こるのかと言うと、赤矢印のレバーにテンションをかけている緑矢印のスプリングのせいだったんです。

上の写真では既に対策済みですが、緑矢印のスプリングがピンクの線のような形になっていました。
この状態で赤矢印のレバーに掛かっていますと、スプリングは青い線のようにしなり、その結果、赤矢印のレバーを奥に押し込むように力が掛かってしまうわけです。
ですので、この状態でシャッターを切って、赤矢印のレバーが写真手前の方に伸びてきたとしても、シャッターを開閉させるレバーには作用せず、その結果シャッターは開かないと言うことになるわけです。

と言うことでその対策は簡単です。
緑矢印のスプリングを、上の写真のように少し曲げてやります。

これでシャッタ－の動きはほぼ直りました。
後はファインダーを掃除するぐらいでOKかな?

いやいや、一番大きな問題のレンズのくもりがあります。
それとちょっとまって下さいよ。
メーターが時々動かなくなりますね。

うーん。かなりジャンクです。