明日は明日の風が吹く

昨日に引き続き「父の日｣シリーズ第2弾。
昨日は私の息子から私への「父の日」の贈り物の話でしたが、今日の話は私から私の父への「父の日」の贈り物の話です。
どんなものを贈ったかというと、このブログに書く位ですから大方の察しは付くでしょう。

はい。
ジャンク品をネットオークションで二束三文で買ってきて、レストアしてプレゼントです。
いやいや、壊れて動作しなくなった高級品を救済して、修理してからプレゼントです。

[3回]

これはライカの露出計、「ライカメーターMC」です。
M2、M3、M4に使えるという事らしいセレンの露出計です。


本体を前から見るとこんな感じです。
不動のジャンクと言うことで安く仕入れました。
不動と言われる通り、強い光を当てても針は動きませんね。


下面にはアクセサリーシュー取り付け部と、シャッタースピードダイヤルに連動するダイヤルが見えます。
このダイヤルは、カメラ側のダイヤルとピンで位置決めされて、連動するようになります。

では早速レストアです。


まず、カメラのシャッタースピードダイヤルから連動して露出計のダイヤル表示を動かすギアです。
このギアを見ると、多分一度分解したのであろうと言う跡を見つけました。
それぞれの矢印の部品にはマーキングがしてあって、それをあわせて組むようにしてあるようなのですが、緑矢印のマーキングだけ90度ずれていますね。
まぁ大した事じゃないんですが、前のオーナーも直そうとしたんでしょうと言う話です。

で、一連の部品を外してメーターユニット関係のみにした状態がこちら。
中は結構きれいです。

さてどこが悪いんでしょうか。
とりあえずメーターユニットをケースから外して色々調べてみましょう。


で、配線を分かりやすくしたつもりなのがこちら。
まず赤い線は、セレンの裏のプラス端子からメーターのプラス端子につながっています。
青い線は、低照度用のセレンのマイナス端子から、緑矢印の感度切り替えスイッチにつながって、そこから緑線で途中抵抗を介してメーターのマイナス端子につながっています。
もう一つ、黄線は高照度用のセレンのマイナス端子から、抵抗を介してメーターのマイナス端子につながっています。
緑矢印の切り替えスイッチをオフにすると、低照度用の回路がカットされて、高照度用の回路のみになり、スイッチをオンにすると、低照度用の回路が働くようになっています。


回路自体はおかしく無さそうなのでどうやらセレンの劣化のようです。
セレンを外して発電量をみてみると、強い光を当てても0.1ボルト程度でした。
やっぱりダメですね。
このセレンは赤矢印のところでふたつに分かれていて、小さい方が高照度用、大きい方が低照度用です。
どちらを計っても0.1ボルト程度でしたので、低照度用の方がかなり劣化しているようです。

ではでは、フジペットEEの時に使いました、太陽電池にお出ましいただきますか。
でも、このセレンのスペースに太陽電池は2枚入りませんので、何とか一枚で低照度用と高照度用の回路を作ってみましょう。

ひとつ前の写真を参考にしてください。
セレンのプラス端子につながっていた赤い線は同じく太陽電池のプラスにつなぎます。
そして太陽電池のマイナス端子に、赤矢印1と、赤矢印2の線を両方一緒につなぎます。
それから、黒矢印1と黒矢印2の抵抗を可変抵抗に入れ替えて、これでOKでしょう。
ちなみに可変抵抗は最大1Mオームのものを使いました。


組み付けた状態がこちら。
赤矢印1が低照度用、赤矢印2が高照度用の可変抵抗です。
あとはそれぞれの抵抗値を調整すればいいでしょう。
でも調整してみると、低照度側は抵抗値0でもいいくらいでしたし、高照度側では、1Mオームいっぱいにしてもほんのちょっと足りないぐらいでした。
でもまぁ、ネガでの撮影ならOKでしょう。
気が向いたらまた調整するとして。

で、緑矢印の抵抗が残っていますが、これは高照度用のもの。
実はこの抵抗はブースターを付ける回路内に有るのでそのまま残しています。


と言うことで使えるようになりましたので、はい、「父の日」のプレゼントです。

M4につけてみましたが、なかなかカッコいいですね。
コンタックスのIIに対するIIIよりはカッコよく見えます。


M2にもつけてみました。
こりゃM4よりカッコいいですね。
よく似合います。
外観のヤレ具合もマッチしています。
じゃぁこれで父親には楽しんでもらいましょう。