明日は明日の風が吹く

その昔一世を風靡したミノルタの一眼レフ、X-7をご存知でしょうか。
このカメラが売れた理由は何でしょうか。
オート専用機の手軽さや、スタイリングの良さでしょうか。
それとも宮崎美子さんのおかげでしょうか。

と言うことで今回はミノルタX-7です。

この個体の不具合はプリズムの腐食です。

[3回]

症状としては前にもお伝えしたフジカST-Fと同じです。
ファインダーをのぞいてみると、正面に横一文字に黒くなっています。

ではまずバラしに掛かりましょう。
巻き上げレバーと、シャッターボタンと、巻き戻しノブを外して、ファインダー横と、レンズマウントの上のペンタ部両サイドのプラスネジを外せば、軍艦部位カバーが外れます。


このとき、巻き戻しノブ部のダイヤルスイッチの裏にはクリック用のベアリングとその下にスプリングがありますが、ポロッと落としそうですので気を付けて下さい。


プリズムを外すには、この張り巡らされた基盤達を取り除かなければなりません。
まず、矢印のプラスネジを外します。


続いて赤矢印の3本のプラスネジと、ファインダー横の緑矢印の位置の2箇所のプラスネジを外して、基盤を浮かせます。


そしたらプリズムが現れますので、両サイドで押さえているスプリングを外せば、プリズムが外せます。


外してみると、赤矢印の部分で、やっぱりモルトが朽ちていました。これが原因でプリズムのメッキが腐食したんですね。
それと、緑矢印の薄い枠がポロッといきますので気を付けましょう。


外したプリズムがこちら。
朽ちたモルトがくっ付いています。
これをはがして、痛んだ黒塗装と、メッキをシンナーなどではがします。


はがした状態がこちら。
この写真では、メッキがはがれた両サイドの黒塗装も弱くなっていて、一緒にはがれてしまいましたので、既に黒で再塗装してあります。

ではどうやって直しますか。
フジカST-Fの時はピカピカのテープを使いましたが、今回の腐食部分はそのテープの幅より広いです。
なので、ヤシカLYNXのハーフミラーの修理でも使った車の窓用のフィルムを使ってみましょう。


患部より大きめに切って空気が入らないように気を付けて貼ります。


こちらが貼った状態。
この上からまた黒で塗装して。フィルムの透過を抑えます。


ボディー側の朽ちたモルトも貼りなおしましょう。

そしたらプリズムを組んで、他の部品もさっきバラした手順の逆に組んでいきます。

組み上がったら、ファインダーをのぞいてみましょう。

デジカメで撮ると結構ムラが目立ちますが、実際にのぞいてみるとほとんど違和感はありません。
なかなかうまくいった感じです。

ということで、プリズム腐食の修理、完了です。
お金をかけてもいいのなら再メッキがお勧めです。