明日は明日の風が吹く

どうも設計ミスによる不具合ではないかと思えるような不具合が色々と出てきていますキャノン デミSです。
4日の記事までで、ヘリコイドと、シャッターセットの不具合を直しましたが、まだ不具合があります。
まずはその中からシャッタースピードダイヤルが動かないと言うものです。

これがなかなか不思議なんです。

[1回]

写真の緑矢印がシャッタースピードダイヤルです。
これがですね、赤矢印の3本のネジをきっちり締め込むと回りにくくなるんですよ。
どこか当たってるのかと思って見てみたんですが原因不明なんです。

赤矢印の3本のネジが裏に出過ぎていて、シャッタースピード制御用のプレートに当たっているのかなとも思ったんですが。

ご覧の通り出てません。
また、この状態であればシャッタースピードリングは重くなりません。
どうやらシャッタースピード制御用のプレートが重くなっているようです。
何ででしょう。
さっぱり分かりません。
最初の写真の3本のネジを締めるまでは全く普通に動くのですが、締めていくと重くなっていきます。
結論としては、微妙なひずみがあるとしか言いようがありません。
仕方が無いので、重くならない位のギリギリの所まで締める事にしました。

どうも釈然としません。

それからもう一つの不具合です。
こちらは、絞りのリンケージとシャッターのレリーズレバーが当たると言う物です。

赤矢印が絞りのリンケージ。
緑矢印がレリーズレバーです。
このレリーズレバーは、シャッターボタンが押されると黄矢印の方向に押されます。


押された状態がこちら。
シャッタースピードは「B」で、絞りは開放の「1.7」。ASA感度は「400」に設定している状態です。
この時、レリーズレバーが作動すると、この写真のように、絞りのリンケージに接触して、レリーズレバーを最後まで押し切ると、絞りのリンケージが少し押し戻されてしまいます。
何でこうなるんでしょうか。
組み方が間違っているとも思えないし、レバーやリンケージが曲がっていることもありません。
もちろん調整しろもありません。
どうしますか。
シャッターボタンの方でシャッターが切れる位置を深く設定して最後まで押し切らないようにしときますか?
それはちょっと妙な設定ですし、シャッターが深くなるのはフィーリングが悪いです。

もう一度どこが当たっているか良く見てみましょう。

シャッターのレリーズレバーの方は、この赤丸のあたりが干渉します。


絞りのリンケージは、矢印の部分が干渉しています。

うーん。
仕方が無い。
削るか。
設計ミスとしか言いようが無いのですが、ここも釈然としません。


と言うことで、このように矢印の部分を削りました。


で、レリーズレバーを押してみるとこうです。
干渉しなくなりました。

それにしてもこれはこの個体特有のことなのでしょうか。
それとも他の個体でも同様なのでしょうか。
ナゾは深まるばかりです。

ということで、残りの部分を組み直して、とりあえずこれでどうにかこうにかキャノン デミSのレストアは完了です。

ですが釈然としません。
もしこの不具合が仕様であるなら、面白いレストアになったと言うことになりますが、どうもこんなつまらない設計ミスをするとも思えない。

ま、いいか。
とりあえず試写してみましょう。