明日は明日の風が吹く

昨日の記事で露出計を直した事をお伝えしました「プラクチカ ノバIB」は、多分ちゃんと動いています。
ですので今回は、ボディーについていたレンズを直します。
このレンズの不具合はと言うと、以前レストアした「フレクトゴン35mm」と同様、絞りが全く動いていません。
と言う事でバラしていきますか。

最初はどこからバラせばいいのかなと思ったんですが、上の写真のようにお尻の外周がリングネジになっていて、リング全体をやさしく包むようにして回してやると緩んでいきます。

[3回]

このレンズってどんなレンズなのかと思ってネットでちょっと調べてみると、以外にも多くのユーザーがおられるようです。
で、その性能はと言うと、高性能ではないけれど、個性のあるレンズといった感じでしょうか。
開放絞りが2.8であるにもかかわらず、開放での撮影はちょっとボンヤリするようです。
しかし絞っていくとピリッと感が出てくるとのこと。
遊ぶにはいいレンズと言う感じです。

では話を戻して、まず円弧状のレバーを留めてある2本のマイナスネジ(赤矢印)を外して、円弧状のレバーを外します。
このレバーは、自動絞りのピンの動きを絞りに伝える働きをしています。

では次に、マウント側から見ると、

次はこのネジを外すんですよと言っているような3本のマイナスネジを外します。

するとマウント部が外れて、

こんな風になります。

そしたらまた、次はここを外すんですと言っているような3本のマイナスネジを外します。

するとご覧のように絞りがあらわになります。
これを見てもうお分かりかと思いますが、絞り周辺が大量の油でベトベトになっていました。
これだけベトベトになっていれば絞りも動けないでしょうね。

では絞り羽根を洗浄するためにさらに外していきます。

これが絞り周辺部品です。
油べっとりですので、このままベンジン浴にしましょう。
矢印の切り欠きは、絞りリングの動きを伝えるリンケージとつながるところです。


湯加減はいかがでしょうか。
いや、油加減と言った方がいいかも。

絞り羽根が入浴中の時間を利用して、

周りについている油もきれいにふき取ります。
矢印の部分は絞り羽根を動かすためのリンケージです。
2つ前の写真の矢印部とつながります。
それにしてもどうしてこんなに油だらけになるんでしょうか。
ヘリコイドグリスが緩んで流れてくるんでしょうか。
それとも前オーナーなりが油でも注したんでしょうか。

でもまぁ、これで絞りも動くようになるでしょう。
ところで、このレンズの特徴的な部分を紹介します。

こんな風に横にスプリングが出てるんです。
もちろん180度反対側にもあります。
このスプリングは何かと言うと、ヘリコイドのズレ防止の押さえなんです。
スプリングの先には鉛筆型の部品が入っていて、内側の鏡胴にある溝にはまって位置決めになります。

でもなんでスプリングで押さえる仕様なんでしょうか。
強い力を加えたら最短撮影距離を変える事ができるようにでもなっているんでしょうか。
多分違うでしょうけど。

ただこのスプリングのおかげで、組む時にスプリングを押さえ込みながら部品を組まないといけませんので、これが結構いたしいです。
しかも反対側にもありますので、2箇所一緒に押さえ込まなければいけません。
何かうまい組み方でもあるんでしょうか。

でもどうにか無理やり組みました。

と言う感じで、組み上がって絞りの動きを確認しますと、
OKですね。
カメラにレンズをつけてシャッターを切ってみますと、うん。
ちゃんと絞りは動いていますね。

?
でもなんかちょっと変。
絞りの動きがシャッターボタンの動きに連動しているんですよ。
それがどうしたと思うでしょうが、
ですからシャッターの動きに連動しているわけじゃないんです。
ちょっと分かりにくい言い方ですが、
でもそれって困る事が有りますよね。
これは仕様?