忍者ブログ

尾道発 - カメラ屋の独り言 -  Presented by せいのカメラ店



×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

 

昨日の記事ではスーパータクマーの写りのよさに感心しましたが、今回はもうちょっと古いタクマーをご紹介しましょう。
焦点距離はどちらも55mm、開放絞りもどちらもF1.8です。
ただし名前がちょっと違うようで、昨日の記事のものは「スーパータクマー」、今回のものは「オートタクマー」です。
DSCF6929.jpg
外観はかなり違います。

==========================
このブログもVer.2へ
新記事チェックは下記へ
明日は明日の風が吹く Ver.2

※Ver.1では今後更新されません。
==========================

拍手[5回]

ピントリングの意匠は似ていますが、今回のものはゼブラ模様です。
絞りリングもレンズの先端にあります。
しかしこのレンズの大きな特徴は、
DSCF6930.jpg
矢印の部分。
これは何かというと、絞り開放ノブです。

これより新しいレンズでは同じような位置に「オート」「マニュアル」の切り替えノブがあって、「オート」にしていけば撮影の瞬間以外では絞りは開放になって、ファインダーを見やすくします。

しかしこのレンズでは通常状態が絞り込まれた状態。
そして、上の写真の矢印のノブを動かすと、絞りが開放にセットされると言うものです。

DSCF6935.jpg
そしてこのレンズにも矢印のようにオートピンが付いていて、このピンが押し込まれると設定した数値まで絞り込まれるのはその後のレンズと同じです。
しかしこのレンズでは、それによって先程の絞り開放状態はリセットされますので、それ以降は絞り込まれた状態が維持されます。

で、今回のこのオートタクマーはこの開放ノブの動きがと、絞りリングの動きが悪くなっています。

ではバラしに掛かりますか。
定石通りのバラし方としては、まず、
DSCF6971.jpg
矢印のカニ目のリングネジを外します。

DSCF6974.jpg
そうすればこのように鏡胴の前後で分離できます。
でもこの作業の場合、リングネジに工具が入りにくいです。
ですので今回は、先にヘリコイドを分離する方法でやってみたいと思います。

ではヘリコイド部分を分離します。
DSCF6936.jpg
矢印のところのマイナスネジ2本をはすしたらヘリコイドの位置決めが開放されますので、ヘリコイドを抜きます。

DSCF6937.jpg
外れた状態がこちら。
外した鏡胴後半部に絞り開放ノブはついていますが、今はそれは置いといて、せっかくですので絞りまでバラしてみましょう。

ちなみに、レンズ前群、後群を外したいだけであれば、鏡胴を分解する必要はありません。
前群も後群もすぐに外すことができます。
絞り羽根も、組んだままの状態で掃除するなら、レンズを外すだけでOKでしょう。

しかし今回はもっと深層の修理をしますので、鏡胴の分解が必須です。
その場合、レンズ前群を外すのは後回しにした方がいいです。
と言うのも、この前群で絞り関係の部品を押さえているからです。
もし先に外していると、レンズをひっくり返しただけで絞りがバラバラになる場合も有ります。

DSCF6938.jpg
では次に鏡胴側に残っているヘリコイドを外します。
矢印のカニ目のリングネジを外します。
これは、ヘリコイドを分離しないで鏡胴をバラす時に最初に外すリングネジと同じものです。

DSCF6939.jpg
こちらがリングネジが外れた状態。

DSCF6954.jpg
そしてこちらが残ったヘリコイドを外した状態です。
ヘリコイドの裏にある緑矢印の突起は、赤矢印の溝にはまって位置決めになります。

DSCF6941.jpg
では次にこの部品を外しましょう。
これは絞りを一時的に開放にする時の部品です。
左右にあるマイナスネジで留まっています。
真ん中のは多分この部品の位置調整用のものだと思います。

DSCF6942.jpg
こちらが外れた状態。
スプリングがつながっています。
このスプリングによって、絞り開放が解除された時に、上記の部品をデフォルト位置に戻します。

DSCF6944.jpg
それから、緑矢印の所に赤矢印のシムが入っています。
ピント調整はこのシムで行うようです。
ピントリングでの微調整は出来ません。

DSCF6943.jpg
次に絞りリングを外します。
矢印のCリングを外せばOKです。

DSCF6949.jpg
矢印のところに、円柱状のベアリングがあります。
これは絞りリングのクリック用です。
落ちてきますので気を付けて下さい。

DSCF6953.jpg
ではレンズ後群を外して、

DSCF6952.jpg
その次にレンズ前群を外しましょう。
先にレンズ前群を外すと絞りがバラけます。

さてここで絞り羽根が見えてきました。
しかしここで時間となりました。
次は絞りを外していきます。

PR

 
◎ Post your Comment
Name
Title
E-mail  ※アドレスは公開されません
URL
Comment
Pass   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
◎ 工具の名称が分からないのですが

こんにちは、
一つ質問があるのですが
このカニ目のリングネジを外す工具はなんというのですか?

セパレー太 2012/07/20(Friday)03:50:26 Edit
◎ Re:工具の名称が分からないのですが

セパレー太さん、コメント有難うございまします。
この工具の名前ですね。
正式な呼び名というのはよく分かりませんが、販売しているショップによって言い方が違うようです。
「レンズオープナー」と言ったり、単に「レンチ」と言ったり、
でもまぁ、一般的には「カニ目レンチ」と言う場合が多いかと思います。

【2012/07/2009:18】
◎ この記事へのトラックバック
Trackback URL
◎ カレンダー
03 2024/04 05
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30
◎ Facebook
◎ せいのカメラ店HP
◎ ブログ内検索
◎ 最新CM
[05/29 ストウ]
[05/09 alubauten]
[05/07 alubauten]
[05/06 alubauten]
[03/23 ha-hi]
◎ プロフィール
HN:
清野浩也
性別:
男性
自己紹介:
せいのカメラ店
◎ ハルサーエイカー
ハルサーエイカー
◎ 琉神マブヤー

Script: Ninja Blog 
Design by: タイムカプセル
忍者ブログ 
[PR]