明日は明日の風が吹く

24日の記事で1回目をお伝えしたキヤノン35mm F2のレストアですが、今回は鏡胴の分解と絞りの洗浄を行います。
前回ではヘリコイドのレストアを行いました。
LマウントやMマウントのレンズではピント用のヘリコイドと、距離計用のヘリコイドがあります。
多くの場合はその二つのヘリコイドが二重になっていますが、このレンズのヘリコイドは縦列になってました。
キヤノンではよくある構造のようですね。
では鏡胴を分解していきましょう。


まずは絞りリングのクリック用の部品を外します。

[2回]

写真では既に外していますが、締結穴は矢印のところです。
部品側の穴は長穴になっていますので、取り付け時には少し位置合わせが必要かもしれません。
そしてベアリングをなくさないように気をつけて。


次は絞り羽根につながるリンケージの部品を外します。
赤矢印の2本のマイナスネジを外します。
ここも長穴になっていますので取り付け時には注意して下さい。

その次に緑矢印のCリングを外します。


そしたらこのように絞りリングが外れます。
この時ついでに矢印の部品も外しときましょう。


続いてレンズ後群を外します。
絞りの裏側が見えてきました。


ではレンズをひっくり返して、化粧リングを外しましょう。
ゴムをあてるなどして外すといいと思います。
私はこんな道具を使っています。

続いてレンズ前群も同様に外します。


外れたら前からも絞りが見えるようになります。
そしたら矢印のCリングを外しましょう。


そしてこちらは絞り前側のカバーまで外した状態です。
これで絞り羽根が取り出せるようになりました。


こちらが取り出した絞り羽根。
油がまわって全体が一体化しています。
本来ならすぐにバラバラになるはずですが、油がまわった時はこんな感じです。

ではベンジン浴といきましょう。


たっぷり目のベンジンに浸して脱脂します。
もちろん絞りのカバーも、そして鏡胴側もベンジンで拭いて油を取り除きます。

よく乾いたら組みなおしましょう。
絞りを組むのは結構大変です。
シャッター羽根のように重ねていけばいいというもんではありません。
一番最後の羽根は一番最初の羽根の下に入ります。
2つ前の写真のようになるように組めばいいわけです。
言うのは簡単ですが…

絞りが組み終わったら、レンズも組んでその他も組んだら出来上がりです。
レンズはキレイでしたので全体的に表面から拭くだけに止めました。

鏡胴が組み終わったら、ヘリコイドと結合して

キヤノンSマウント35mm F2、レストア完了です。