明日は明日の風が吹く

当初の問題点であった裏蓋のロック関係の部品もまがいなりにも再生したミノルチナAL-sです。
では動いていないシャッターを直しにかかりましょう。
レンズシャッターカメラのシャッターが開かないのは、十中八九シャッター羽根の粘りです。
つまりシャッター羽根に油が回って、羽根同士がくっついている。
ではバラしましょう。

ポンポンポンと外していくと、前側はここまでバラけます。
でもまだリード線がつながっているので、接点の方で半田を外すか、レンズユニットを外すまでそのままにしとくかします。

[5回]

レンズユニットを外すには、軍艦部カバーと底面カバーを外さないといけません。

外すとやっとレンズユニットを外せます。

ですがこのカメラ、キチャナイですね。
で、先ほどつながっていたリード線はここに来ていますので、ここの半田を外しましょう。


で、とりあえずレンズユニットを外しました。
外れかけているのはシャッタチャージ用のリングです。
これ以外にも、ひっくり返すと落ちてくる部品がありますので、なるべく外しておきましょう。


そしたら今度は裏から、レンズボードやらリンケージやら外せるものを外していきます。
そして最後にシャッターユニットを取り出します。


こちらが外したシャッターユニット。
フィルム側から見た状態です。

シャッター羽根は5枚に見えますが本当は6枚あります。
矢印の羽根が一番下にももう1枚あるんです。
つまりここだけサンドイッチ状態。

ではシャッター羽根を外してベンジンで洗いましょう。

だがしかし、ご覧のように油が回って6枚のシャッター羽根が一体化しています。
これではシャッターは動きませんね。


ついでと言いますか、どうせここまでバラしたので絞り羽根も外して洗っときましょう。


それとついでにこれも。
コレは何かと言いますと、レンズボード側にあるピント調整のためのヘリコイドです。
赤矢印のように、なるべくいろんな所にマーキングしておいて、今度組む時に同じような位置に組めるようにしておきます。
緑矢印がレンズを繰り出すヘリコイド部分。

これらを分解して、新しくヘリコイドグリスを塗ってやれば、ヒントリングの動きも気持ちよくなるはずです。

あとはファインダーユニットも水洗いして、きれいになったら組み直します。


右のが、今回レストアしたミノルチナAL-sです。
この写真ではきれいになったように見えるかもしれませんが、結構くたびれています。
深い傷もありますので、鈑金しなおして塗装した方がいいかもしれませんね。

しかし。
よく見てみると、

あれ？
これは、シャッター羽根の組み方が逆ですね。


本来ならこういう重なり方なんです。
重ねる順番が逆でした。
でもまぁ、特に問題ないでしょう。
反対側から見たら同じですからね。
もし問題が出るようならまた組み直すとしましょう。

ということで、とりあえず、ミノルチナAL-s、レストア終了です。
早速試写してみましょう。
が、外は暑いですね。