明日は明日の風が吹く

先日、「モノクロもいいかも」という記事を書かせて頂きましたが、そこで少し気になったのが、偽色の出るカラーセンサーで白黒にするよりも、シグマのフォビオンセンサーで白黒にした方が、面白いんじゃないかと思ったので、ちょとテストしてみました。

そしてそれはJPGでも実用なのか。

[3回]

元々シグマDPシリーズは、JPGで撮影するとうまく色が出ないので、使いものにならないのですが、その代わりRAWで撮ると、素晴らしい性能を発揮してくれるカメラなんです。
でも今回のように、白黒撮影専門にしたら、発色の悪さが関係なくなるので、もしかしたらJPGでもいい写真が作れるかもという安易な考えのもとに立っているというわけです。

最初の写真は、JPGで白黒モードで撮影して、Photoshopでグレースケールに変換したものです。
デジカメには白黒モードが付いていることがよくありますが、その場合でも撮影したデーターは彩度が無くなったカラーの状態で、グレースケールになっている場合はあまりまりませんね。
どうせならデーター自体をグレースケールにしといてくれればいいのにと思うのは私だけ？


で、こちらは、RAWで撮って、SIGMA PhotoProを使って現像し、彩度を落としてJPGで保存したものを、同じくPhotoshopでグレースケールに変換したものです。

コレを見る限り、ほぼ差が無いですし、JPG撮影で十分な解像度と階調を得ているように感じます。

ではRAWとJPGで、大きく差が出るシチュエーションで撮影してみましょう。

まずこれは、RAWで撮影して上記の手順でグレースケールにしたもの。
矢印の部分の階調に注目して下さい。
RAW撮影で現像処理したものは、こういったハイライトに近い部分でも、ちゃんと階調が出ています。


しかしこちら、
JPGで、カラー撮影してグレースケールにしたものですが、矢印の部分が、白飛びしてしまっていますね。
DPシリーズでJPG撮影すると、こういう感じのハイライトに近い部分がみな白飛びしてしまう傾向にあるんです。

では、カメラの方で白黒設定にしてJPG撮影してみたらどうでしょうか。

こちらがその写真。
しかしカラー撮影してグレースケールにしたものとほぼ同じ結果になってしまいましたね。
でもまぁ、このぐらいの白飛びの方が、写真としては綺麗に見える場合もあるかもしれません。

しかし、白黒でもRAWの方がいいようですね。
最終的なアウトプットで、白飛びさせた方がいいという場合もあるでしょうが、そうする前の画像には、階調が再現されている方がいいですよね。

では、私がいつも使っているパナソニック LUMIX GF3と比較するとどうでしょうか。

まずこちらが、GF3で、白黒モードにして撮影したもの。


そしてこちらが、DP1sで白黒モードで撮影したもの。
焦点距離が違いますので、表現の仕方に違いはありますが、
DP1sの画像では、やはり矢印部分の白飛びが気になりますね。
白飛びしたとしても、そこに至るグラデーションが再現されていればいいと思うのですが、
一定の明るさからいきなり白飛びしてしまっていますね。
おかげで白飛びしたところと、そうでないところの境目がはっきりしてしまって、ちょっと不自然です。

照明の電球の再現は、DP1sの方が上かなとは思いますので、白飛びさえなければ面白いものになりそうです。
そうなると、DP1sでは、やはりRAW撮影の方がいいということになりますので、結局は現像処理してやらないといけないとうことです。

うーん、じゃぁやっぱり、白黒で撮るにしても、手軽に持ち歩いてという状況には向いていない感じですね。
白黒を楽しむという方向なら現役として使えるかと期待したんですが、やっぱりある程度気合を入れた作品作りのためのカメラということになってしまいますか。

ま、そうやって使う方が、最終的には楽しいのですけど。