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尾道発 - カメラ屋の独り言 -  Presented by せいのカメラ店



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19日の続きです。
何も動かなくなったハッセルブラッド500C/Mですが、あれやこれややって、一応は動かない状態からは脱却できました。
でもちゃんと動いていません。
現状はどうかというと、ボディー最後部の遮光板がちゃんと閉まらない。
その状態では巻上げが動かない。
遮光板を押してやって閉めてやれば巻上げが出来るようになって、シャッターが切れる。
シャッターが切れると、
DSCF6441.jpg
今度は上側の遮光板が完全に開かない。
その後シャッターボタンから指を離すと、普通なら遮光板が閉まるはずであるが、途中で止まってしまう。
と言う状態の繰り返しです。
それを解決するべく、ボディーをバラしたところまでが前回の話。

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拍手[8回]

ここでもう一度19日の記事での3番目の写真を見てもらうと、こうなっていました。
DSCF6439.jpg
本来ならシャッターが切れた後、シャッターボタンから指を離すと、遮光板が閉じますが、このようにマイナスネジの頭に引っ掛かって止まってしまいます。

これはやっぱりどう考えても上側の遮光板が右に寄ってるとしか思えません。
でもこれって調整できるのか?

遮光板の軸受け部を見てみると、
DSCF6473.jpg
軸受けの固定にマイナスネジが使われているようですね。このマイナスネジを緩めればちょっとは調節できるんじゃないですか?

DSCF6471.jpg
こっち側も。

細いマイナスドライバーで緩めてみると、思ったとおり、ちょっとだけ調整できました。
これで左側の隙間を少しだけ増やしてみると、何とか左側の引っ掛かりはなくなりました。

しかし下側の遮光板はまだ完全に閉じないままですし、巻上げもできない状態のままです。
シャッターを切った直後も上の遮光板が完全に開かない状態は変わりありません。

これは多分上下の遮光板の同期がズッてると言うことだと思います。
上側の遮光板が本来の位置より下になっているか、下の遮光板が本来より上にいっているか。
でも軸受け部を見ても、調整できるような構造にはなってないようです。
ではどうしたもんでしょうか。

考えていたんですが思いつきました。
これは多分、遮光板を指で無理に動かすなどして曲がったんじゃないかと。

なのでちょっと曲げてみることにしました。
遮光板の軸を回らないように固定して、板の方を本来の位置と思える方向に曲げてやります。
今回は上側の遮光板を曲げてみました。
曲げてうまくいかなくてもまた曲げなおせばいいですからそのつもりで。

で、曲げてやった結果。

OK。
遮光板はちゃんと閉じるようになりましたし、ちゃんと閉じたら巻上げも行くようになりました。
そしてシャッターが切れた直後も、上の遮光板は完全に開くようになりました。

このカメラは何かの弾みで遮光板に力が加わってしまったんでしょうか。
でももしかしたら遮光板を持ったハッセルではよくあることかもしれませんね。
しかも遮光板と開閉のリンケージの間には衝撃吸収のためかサスペンションがあって、曲がってしまうと少々押したぐらいでは元に曲げなおすのも難しいですからね。

と言うことで巻上げもシャッターもちゃんと動くようになりました。

が、話題の遮光板には反射防止材なんですかね、そんなのが貼ってあるんですが、経年劣化でボロボロになってきてるんですね。
DSCF6476.jpg
指でちょっとこすると左上のように剥がれてきます。
こりゃはがした方がいいね。
ファインダーにも黒い破片が入り込んできてるようですし。

DSCF6479.jpg
指でこすって大まかにはがし、その後はベンジンで拭き取りました。

きれいになった遮光板がこちら。
DSCF6482.jpg

参考までにうちにあるもうちょっと古い500C/Mのは
DSCF6481.jpg
何か貼ってあるんじゃなくて、こんな感じで縮み塗装のようになっています。
これなら劣化しにくいですけどね。

新旧比べてみると、
DSCF6480.jpg
こうです。
左が修理品、右がうちのです。
特に内面反射が気になると言うことも無さそうですが、もし何かするとすれば起毛布を貼るぐらいでしょうか。
オーナーに確認したら、何もしなくていいということでしたのでとりあえずこのままです。

と言うことで、ハッセルブラッド500C/Mの修理、完了です。
それにしてもハッセルブラッドと言うカメラは、すごい工作精度で作られています。
部品がピッタリはまりますし、ネジもきっちり締まります。
これはきっと機械では作れないでしょうね。
今回思ったのは、精度よく作られたものは分解組み立てを繰り返しても部品が痛みにくいと言うことです。
部品にも無理な力が加わらないのでゆがむことが無いし、マイナスネジも頭をなめることが全くありません。
すごいですね。
でも反面、調整シロがありません。
多分1機1機調整しながら作ってるんじゃないですかね。

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